事故防止ケーススタディ

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ケース21. 交差点を左折する際、二輪車を巻き込む
  ☆事故の発生状況☆
     11tの大型貨物自動車を運転するAは、昼間、交通頻繁な片側一車線道路を走行中、信号機のある交差点を青信号に従い左折する際、左前方の歩道を交差点方向に向かって進行中の歩行者を認めた。Aは、歩行者が横断歩道に進入するまでにはまだ間があると判断し、左折を開始することにした。
Aが左折する際、一旦左後方を注視したが、その時、後方からはBの自動二輪車が急接近中であったが、たまたま自車両の死角部分に入っておりAは気付かなかった。
Aは左後方は安全と容易に判断し、前方の歩行者のみに注意を向け、しかも十分に徐行もせず漫然と左折を開始したため、左方を併進中のBを見落とし、A車左側方にBの自動二輪車を衝突させ、左後輪で巻き込んだものである。
     
  ☆事故の原因☆
    ① 交差点を左折する際、徐行しなかった
② 左前方の歩行者のみに注意し、後方の安全確認を怠った
  ☆防止策☆
   
  1. トラック等の大型車両が交差点を左折する際は、巻き込み事故の危険が特に高いことから、左折時は、自動二輪車等が左側方を走行しないよう、予め道路の左側に寄り、道路の左側端に沿って走行することが必要です。
  2. トラックの場合、左折時に「内輪差」による巻き込み事故の危険が伴います。Aが運転する11tトラックのようにホイルベースが長い車両ほど、より一層危険度は高くなるため、トラックが交差点を左折する際は、「内輪差」の影響による巻き込み事故に十分注意することが肝要です。
  3. トラックが交差点を右左折する際は、歩行者、自転車および二輪車等いわゆる「交通弱者」が被害に遭う交通事故が多発しています。
    • 横断中の歩行者・自転車のうち、信号の変わる直前・直後の飛び出し、雨天時の傘差し、夜間の反射材不着用等が原因の事故
    • トラックが左折時に左側方併進中の二輪車を巻き込む事故、また右折時に対向車線直進中の二輪車との衝突事故

    交差点でトラック事故が多発している現状から、右左折の際は十分に徐行し、脇見や見落としのないように安全確認を徹底することが必要です。

       
       
ケース22. 薄暮時、交差点を右折する際、横断歩道を横断中の歩行者と衝突
  ☆事故の発生状況☆
     4tの普通貨物自動車を運転するAは、薄暮時間帯、片側三車線道路の右側斜線を走行中であった。交差点を右折する際、信号が赤であったことから、直前の普通乗用車とともに、右のウインカーを出して交差点の手前で停止した。
間もなく信号が青に変わったが、その時対向車線の状況は三車線とも渋滞し、車両は交差点手前で停止状態であった。
Aは、前方の乗用車が渋滞の中をスムーズに右折したのを見て、「危険はない」と即断し、やや薄暗かったのに周囲を警戒することもなく、ライトも点けずに漫然と乗用車に追従して進行したため、交差点手前で停止中の車両の陰から、小走りに横断歩道に進入してきた歩行者Bの発見が遅れ、急ブレーキを掛けたが間に合わずBと衝突したものである。
     
  ☆事故の原因☆
    ① 交差点を右折をする際、前車に漫然と追従し徐行しなかった
② 対向車線が渋滞中で、周囲に危険な「死角」が多かったにもかかわらず、安全確認を怠った
  ☆防止策☆
   
  1. トラックが交差点を右折する際は、対向車線の車両等の「死角」から急に飛び出してくる自動二輪車と衝突する、いわゆる「右直事故」が多発し、しかも重大事故となるケースが多いため、十分に徐行し状況により一旦停止して「死角」部分の安全をチェックして走行することが必要です。
  2. 薄暮時間帯は、人の姿や物、色等がぼやけてドライバーの眼に鮮明に映らないことから、小さな歩行者、自転車は見落とす危険が十分考えられます。薄暮時間帯は、前方注視を怠らないようにするとともに、早めにライトを点灯して歩行者・自転車等を早期に認知し、また、相手にも自己車両の存在を予知させる配慮が必要です。
  3. 対向車線が渋滞し、交差点手前で停止状態の時は、右折時に油断し漫然走行となりがちです。トラックの右左折はどのような状況下でも危険が多いことを十分認識し、常に警戒心を怠らないことが肝要です。
       
       
ケース23. 二輪車の突然の進路変更に後ろから衝突
  ☆事故の発生状況☆
     運転者Aは、早朝の積込みのため深夜大型貨物車を運転し、時速約60kmで走行中、前方約50mに二輪車2台が縦列走行しているのを認めた。
追抜きをしようと同速度で進行、二輪車との間が約3mに接近した時、前の1台が突然右に進路を変更し、A車の直前に出たため、危険を感じ急ブレーキをかけながらハンドルを右に切ったが及ばず、車両の前部が衝突し、運転していた高校生に瀕死の重傷を負わせたもの。
     
  ☆事故の原因☆
    ① 二輪車の無謀な進路変更
② 運転者Aの判断ミス
  ☆防止策☆
   
  1. 二輪車は、車線変更など運転に変化が多い
    二輪車は機動性に富み、微妙な体重移動で進路を変えることができるので、頻繁な車線変更や急加速などの行動をしがちです。
    この事故も、深夜走行の二輪車が、方向指示器の合図もなしに急に進路を変え自車の前方に進出したために発生したものです。
    追抜く場合には、二輪車の速度と動向を特に注意し、自車の速度と二輪車との間隔に十分な余裕を取ってください。
  2. 見落とされやすい二輪車
    ドライバーは車体の小さい二輪車を見落としやすく、また、死角に入って全く見えないことも少なくありません。しかし二輪車は、周囲の車は自分を当然認識しているものと思い込んで運転をしています。「この車の後ろからバイクが・・・」の気持が大切です。
  3. 全身を露出し、天候に左右されやすい
    二輪車はバランスをとって乗る乗物ですので、ちょっとした接触でバランスを崩し転倒しやすく、そのうえ全身が露出しているのも手伝って大事故になることが多いようです。
    また、雨や風の影響を受けるとバランスを崩しやすく危険が増大します。視野も極端に狭くなり注意する範囲も狭くなります。したがって、周囲のドライバーが十分に注意し事故を防ぐことが大切です。
       
       
ケース24. バックの際に、後方を通過しようとした自転車と衝突
  ☆事故の発生状況☆
     普通貨物自動車を運転するAは、この日最後の配送先となるコンビニエンスストアでの納品を終えた。このコンビニは、駅前の商店・住宅の混在した一方通行道路沿いにあり、道路に面した部分が駐車場となっており、両側はブロック塀で囲まれていた。
Aは、このコンビニに荷物を搬入するときは、いつも一方通行路からバックで駐車し搬入していたが、その日は買物客の歩行者や自転車が多く混雑しており、前進のまま駐車していた。
納品を終えたAは、「今日はこれであがりだ。やれやれ」と思いながらバックで駐車場から道路に出ようとした時、ブロック塀越しに1 台の乗用車が接近してくるのを確認した。
運転席からサイドミラーで乗用車が通過するのを確認した後、バックギヤー(ブザー警報付)を入れ、アクセルを踏み左にハンドルを切りながらバックを始めた。
車体の後部が道路に出たその時、自車後方でゴツンと鈍い音がした。とっさにブレーキを踏んで降りて見ると、自車後方に主婦が自転車と一緒に転倒していた。
     
  ☆事故の原因☆
    ① 安易なバックによる後方の安全確認ミス
② 仕事を終えたあとのホッとした気の緩み
  ☆防止策☆
    トラックによるバック事故は、工場の敷地内や事業所の駐車場、路外施設から道路に出るときに多数発生しています。
トラックは乗用車とは比較にならないほど後方の死角が大きく、それだけに危険を伴うのが特性です。この危険な特性をしっかり自覚するとともに、バックの際は次のような注意を必要とします。
・ 事前に車の周りや床下を確かめることを習慣づけ、安全を確保してからバックを始める。
・ 後方の安全確認はバックミラーだけに頼らず必ず目視で行う。
・ 目視できない部分の安全確認は、同乗者、関係者等に誘導を依頼する。
・ 周囲にいる人や車に気づかせるため、バックブザーは3 回以上鳴らしてから車を動かし始める。
・ 人の歩く程度のスピードでバックし、少しでも不安を感じたらすぐ停止、確認する。
事例のように道路外から道路に出るとき、特にバック時には、車道の車の流れに注意を奪われ、歩道等の歩行者や自転車を見落としがちになります。目視での確認はもちろんのこと、誘導依頼やバックブザー等を利用し、安全確保をおこなってから車を動かすことを職場で徹底してください。
       
       
ケース25. 交差点直進時の追突による人身事故
  ☆事故の発生状況☆
     運転者Aは、電子関係部品の荷を積み配送先に向かう途中、時速約40 キロメートルで前車Bに続いて交差点を直進しようとした際、対向右折車Cがあったために危険を感じて、急制動の措置をとった前車に即応できず追突し、前車Bに全治1 か月の重傷を負わせた。
     
  ☆事故の原因☆
    ① Aの車間距離不保持と前方不注視
② Cの直進車進行妨害
  ☆防止策☆
   
  1. 前車に追従するときは、「前車が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を保つこと」と定められている。
  2. 必要な距離とは停止距離を指し、路面の状況、車の性能、積荷の状況、速度、運転者の反応時間等その能力によって異なり、一律に決定することは大変困難である。
  3. 運転者として自己の運転技能、道路および交通の状況、積荷状況等を十分考慮して、先行車の行動に注意をはらい追従することが大切である。
  4. 具体的には判例や経験則から、
    (1)前車の位置に到達するまで2秒以上の経過時間(秒)を要する距離を保つ。
    (2)制動距離は、条件に差異があるが、おおよそ時速のキロメートルの2 乗を100 で除した数をメートルの単位に引き直した長さである。それに空走距離を加える。
    (3)60 キロメートル位までの速度のときは、その速度から15 キロメートルを引いた数字の距離。
    (4)高速走行は、速度メーターの指針以上の車間距離が必要とされる等の意見もあり、運転者がそれぞれ諸条件に合った安全な車間距離を保つことが必要である。