ケーススタディ11「交差点を右折する際、横断中の自転車に衝突」

☆事故の発生状況☆

4tの普通貨物自動車を運転するAは、夜間片側1車線道路を走行中、信号機のある交差点を「青信号」に従い右折する際、対向車線が渋滞中であり、同車線の普通乗用自動車が交差点の直前で停止しているのを認めた。Aは、直ぐにその陰から二輪車等が進行中で無いことを確認し、また、視界内に横断歩行者も映らなかったことから、安心し何らスピードを緩めることなく右折を始めたところ、自転車横断帯の無い横断歩道を自転車に乗り、右から左の方向に渡っていたBに気付かず、Aは、車両前部バンパー右側でBの乗った自転車を跳ね転倒させた。

☆事故の原因☆

① 交差点で右折をする際、徐行をしなかった
② 夜間でもあり、前方や側方を十分に注視・警戒すべきところそれを怠った

☆防止策☆

交差点の右左折に限らず、道路を横断中の歩行者・自転車を跳ねる事故が多発、特に、高齢者が犠牲になる事故が顕著でありますので、トラックドライバーは、十分に注意が必要です。
夜間、暗い交差点の走行は、歩行者・自転車等を見落とし見損じる危険性が高いので、右左折時には、徐行は勿論ですが状況に応じ一旦停止を行い、極めて慎重な運転が要求されます。
本件事故の場合、Bが自転車横断帯の無い横断歩道を渡ったことにも非が有りますが、Bは71歳の高齢であり高齢者は、運動能力・判断能力が低下することは勿論ですが、交通ルールに弱く相手(ドライバー)に頼り、注意力を依存し・保護を求める意識が強いので、高齢者の乗った自転車・歩行者には、横断等を優先させる配慮や注意・警戒が肝要です。