ケーススタディ20「凍結路面でスリップして追突」

☆事故の発生状況☆

大型貨物車を運転するAは、トラック乗務歴1年未満の初任ドライバーだった。
冬の早朝、毎日通行するルートをいつもと同じように走行し、鉄道線路を横断する跨線橋を通過しようとしていた。
跨線橋の先の信号は赤色で、1台の普通乗用車が停止していることを確認し、アクセルから足を外し減速体制に入った後、カーブの下り坂途中でブレーキを踏んだところ、後輪が右側に滑り始めたため、慌ててハンドルを右に切り、強くブレーキを踏み込んだ。すると、凍結路面によりタイヤがロックしてしまい、スリップをしながら坂を下り、普通乗用車に追突してしまった。

☆事故の原因☆

① 凍結路面への危険意識の欠如
② 経験不足、教育不足

☆防止策☆

凍結路面の摩擦係数は乾燥舗装路面の4分の1以下というデータがあります。つまり、タイヤのグリップ力が夏場に比べ4分の1以下に低下することを理解しましょう。また、制動距離についても8倍以上という結果になっており、路面状況の早期発見と早めの減速が必要です。
「急発進」、「急加速」、「急ブレーキ」、「急ハンドル」等、やってはいけない「急のつく操作」を避け、危険を予測した運転を心掛けましょう。
運行管理者等は、冬季特有の事故を防止し安全な運行を確保するために、「冬道に潜む危険を点呼や安全会議の機会を利用しドライバーにしっかり理解させ、特にスリップ事故に対する警戒心を高めさせること」が必要不可欠です。