ケーススタディ14「構内から道路に出る際、自転車に衝突」
☆事故の発生状況☆
大型トラックを運転するAは、スーパーの集積倉庫でその日最後の荷捌きを終え、帰路に着くところであった。事故現場の歩道付近は、塀の影になり一帯が暗く、また、強い雨が降っており、夜間という条件も重なって極めて視界の悪い状況であった。
Aが構内から片側1車線の道路に出る際、対向車線でトラックが構内へ入庫するために待っており、右方からは乗用車が接近していたことから、急ぐあまり一旦停止をせずに左折を開始した。
歩道には、雨の中を傘を差しながら片手で自転車を運転していたBが走行しており、Aは急ブレーキをかけるまもなく、Bに衝突した。
☆事故の原因☆
① 雨の日の夜間で、スーパーの出口付近は視界が遮られ見通しが悪い状況であったが、構内入庫待ちのトラックと接近中の乗用車に気をとられ、一旦停止、周囲の安全確認を怠った。
☆防止策☆
夜間、雨天時は、運転に様々な悪条件が重なるので、慎重な運転に徹することが不可欠です。
ドライバーの視界が遮られるような状況では、交通弱者を絡めた重大事故の危険性が増します。安全確認を怠らず、前方注視を徹底するよう心掛けましょう。
Aは、雨の中でのハードな作業が終わり、あとは通い慣れた道を帰路に着くだけということでホッとした気分になり、「気の緩み」が生じた状態で出発しました。そのことが、運転に慎重・冷静さを欠き、対向車線の構内入庫待ち車両や乗用車の動向を見て「急ぐべき」との安易な判断に結び付いたといえます。「気の緩み」は油断に繋がり、事故の危険が生ずるので注意が肝要です。