ケーススタディ18「交差点直進時の追突による人身事故」

☆事故の発生状況☆

運転者Aは、電子関係部品の荷を積み配送先に向かう途中、時速約40 キロメートルで前車Bに続いて交差点を直進しようとした際、対向右折車Cがあったために危険を感じて、急制動の措置をとった前車に即応できず追突し、前車Bに全治1 か月の重傷を負わせた。

☆事故の原因☆

① Aの車間距離不保持と前方不注視
② Cの直進車進行妨害

☆防止策☆

前車に追従するときは、「前車が急に停止したときにおいてもこれに追突するのを避けることができるため必要な距離を保つこと」と定められている。
必要な距離とは停止距離を指し、路面の状況、車の性能、積荷の状況、速度、運転者の反応時間等その能力によって異なり、一律に決定することは大変困難である。
運転者として自己の運転技能、道路および交通の状況、積荷状況等を十分考慮して、先行車の行動に注意をはらい追従することが大切である。
具体的には判例や経験則から、
(1)前車の位置に到達するまで2秒以上の経過時間(秒)を要する距離を保つ。
(2)制動距離は、条件に差異があるが、おおよそ時速のキロメートルの2 乗を100 で除した数をメートルの単位に引き直した長さである。それに空走距離を加える。
(3)60 キロメートル位までの速度のときは、その速度から15 キロメートルを引いた数字の距離。
(4)高速走行は、速度メーターの指針以上の車間距離が必要とされる等の意見もあり、運転者がそれぞれ諸条件に合った安全な車間距離を保つことが必要である。