ケーススタディ23「信号機のない交差点で出会い頭の衝突」

☆事故の発生状況☆

4tの普通貨物自動車を運転するAは、納品を終えた帰り道、いつもの運行コースを走行し、事故現場となった交差点手前に差し掛かった。
付近は緩やかな下り勾配で速度も50km/h位となり、雨により路面が濡れており多少滑り気味でもあった。
交差点手前50mに差し掛かった時、進路前方の左側交差道路からBの自動二輪車が右折のウインカーを出して交差点に進入しようとしているのを発見したが、Aは、自車が広い幹線道路でもありBは当然停止すると思い込み、そのまま進行したところ、Bが停止せず右折してきたため、慌てて急ブレーキを踏んだがスリップしながら衝突した。

☆事故の原因☆

① 走り慣れた道路での気の緩み、漫然運転
② 思い込みからの動静不注視

☆防止策☆

出会い頭事故の大半は、信号機がなく見通しの悪い交差点で発生しています。事故になる要因としては、 相手側に一時停止の標識があるから止まってくれるだろう。
相手側の道路は脇道だから自車が通過するまで待っているだろう。
いつも車両等が出てくる道ではないので、今日も出てこないだろう。
といった慣れや油断から安全確認を省略した思い込みによる「だろう運転」により事故を招いているのが実態です。
信号機のない交差点に接近したら、周囲の交通状況を確認し、交差車両を認めたときは、まず減速し、必ず相手の動向をしっかり確認することが大切です。
また、この事例では、左方から進入した自動二輪車との衝突事故を挙げていますが、右方から進入してくるケースでの事故も多発しています。この理由は、右方道路から交差点に進入するバイクや自転車は左側に沿ってくるため視認性が悪いからです。 また、右ハンドルの車の運転視界は左方に開かれているため、右方の安全確認が遅れたり、甘くなりがちなためです。
信号機のない交差点での安全確認は、まず右方からしっかり確認しましょう。