ケーススタディ26「構内からバックで出る際、原付自転車に衝突」
☆事故の発生状況☆
大型貨物自動車を運転するAは、積荷を配送センター構内に降ろした後、公道に出るためバックしていた。
この配送センターは敷地が狭いため、大型車両が頭から進入した場合は、Uターン等ができずバックで車道に出なければならないため、出入口にはセンターに出入りする車両の交通整理や誘導をするため、係員が常時勤務していた。
Aが車両を動かし始めたとき、係員は、道路上で待機中の他の車両の運転手と雑談中であり、Aはこの係員を待つことなく、自分で注意を払いながら後退を続けた。
やがて道路に差し掛かり、特段注意を喚起する声等も聞こえないことから、微速で後退を続けたところ、原付バイクに乗ったBに車両最後部で衝突してしまった。
係員は、Aの車両が出てきたときにA車の方に振り向いてはいたが、この時BのバイクはAの真後ろに位置し、係員からは全く見えていなかった。
☆事故の原因☆
① 後方の安全確認不十分
② 「大丈夫だろう」という軽視判断
☆防止策☆
どんなベテランドライバーでも、後ろに目がついているわけではありません。まして、大型車両となれば、後方の死角はとても大きなものになります。バックの際の目視確認はとても重要ですが、このケースのように構内であり、まして誘導員が常駐している場合は、必ず誘導員の指示のもとで車を動かすようにしてください。
ミラーでの後方確認は、事故を招くことが非常に多く、少しでも不安があるときは無理をせず、過信をせず、一旦停止や下車のうえの確認が必要です。「ゆっくり進んでいれば、相手が止まってくれるだろう。」という気持ちはあまりにも無謀といえます。常に事故を起こさない安全運転を心掛け、特にバックの際には最善の注意を払いましょう。