ケーススタディ32「左折時、右方自転車に注意が偏り左方からきた歩行者に衝突」

☆事故の発生状況☆

大型トラックを運転するAは、積み込みの遅延からイライラした気持ちで、納品時間ギリギリでのルート配送をしており、次の納品先に向けて信号を左折しようとしていた。交差点に差し掛かった際、前方の信号は青で、横断歩道前方から渡ってくる自転車を確認していた。自転車の通過後、一気に左折したところ、左から横断してきた歩行者をはねてしまった。

☆事故の原因☆

① 交差点通過時の左右の安全確認不足
② 急ぎの心理による無謀運転

☆防止策☆

焦りやイライラは正常な運転を阻害し、無謀運転になる危険性が高まります。この事故のケースは交差点左折の際、一方への注意力の偏りと、他は大丈夫だろうという安易な判断から、歩行者の存在には全く気づかず、ただ納品時間に向けて自分勝手な判断で無謀運転を行った悪質な行動といえるものです。横断歩道での左右確認や、死角への目配りはドライバーとして責任を持って実施しなければならない当たり前の事項ですので、ハンドルを握ったら肝に銘じて徹底しましょう。
大型車の死角は左側面や後方など、その範囲も広く、ミラーで補っている箇所も多く存在します。交差点左折時は、左側面の確認を疎かにせず、特に高速で走行してくる二輪車や自転車に注意しましょう。