ケーススタディ38「交差点を左折する際、停止した前走乗用車に追突」

☆事故の発生状況☆

10tの大型貨物自動車を運転するAは、搬送中に交通渋滞等に巻き込まれ、予想以上に時間が掛かっていたことから、気持ちに焦りを持ちつつスピードを上げて運転していた。
事故現場となった交差点付近に差し掛かったところ、交差点からの右折待ち車両で右折レーンの後方まで停止状態が続き進路を妨げられそうになり、左側車線に進路変更し、前方の交差点を直進しようとした。
左車線には前走車Bがいたが、Bは左折の合図を出しており、Aはこれを認めていたが、先の信号や交通状況が気になり、遠方を見ながら漫然と進行した。
左折のため減速中だったBは、暗がりから自転車が横断歩道に進入してきたのを見て、急停止したが、Aはこれに気付くのが遅れ、急ブレーキを掛けたが間に合わずBに追突した。

☆事故の原因☆

① 交差点付近の危険を予測して、慎重に運転すべきであったが、油断し、安全確認を怠った
② 不適切な車間距離と、気持ちの焦りからスピードオーバーになったこと

☆防止策☆

ドライバーに焦りがあると、スピードオーバーや車間距離を詰めて走りがちになり、それが咄嗟の場合に慌てたり判断ミスや操作の遅れに繋がることになります。時速60kmなら60m、80kmなら80mといった車間距離を確保するか、または前車との間に常に3秒間の間隔を保つようにしましょう。
追突事故のほとんどは、脇見運転が原因で発生しています。ほんのちょっとの脇見でも、目を閉じているのと同じ状態です。トラックドライバーの場合、地図や行先確認等、脇見になる要素も多いので十分注意しましょう。
ゆとりのある運転を心掛けることが大切です。
○ 時間に余裕を持つ。
○ スピードは控える。
○ 車間距離を保つ。
○ 気持ちにゆとりを持つ。
ことによって、危険をつくらない、危険からはなれる“防衛運転”に徹しましょう。