ケーススタディ53「左折時、急停止した前車に追突」
☆事故の発生状況☆
小型貨物自動車を運転するAは、片側2車線の国道を時速40Kmで走行中、次の交差点を左折するため、交差点手前で左サイドミラーを確認したところ、原付自転車が自車に追従しているのを確認した。
前方には大型貨物車Bが左折の合図を出して進行していた。
信号は青色だったため、Aは、このままBに続いて交差点に入れば青信号に間に合う。と判断し、左折の合図を出してBに追従した。
Bは、交差点の手前で減速し、自転車を一台横断させたが、このとき、Bと自車との車間距離は3mで、左折先の交差点内の様子はほとんど確認できない状況だった。
Aは、自車に追従していた原付自転車が気にかかり、サイドミラーを注視しながら進行していたが、視線を前にもどすと、Bが急停止しており、Bに追突してしまった。
☆事故の原因☆
① 前方不注視
② 車間距離不十分
③ 注意力の偏り
☆防止策☆
交差点は交通事故が多発する場所であり、トラックが最も起こしやすい追突事故となりました。交差点は重大事故の発生に結びつく交通弱者も混在する危険な場所であることを良く理解し、ドライバーは、「これから事故多発場所に進入する。」「交通弱者と交錯しやすい場所に進入する。」といった危険意識を持つことが大切です。
AはBの大型貨物車に接近していたため、前方の視界が遮られ、死角の範囲が広がっていました。警戒心を怠らず余裕を持って危険回避できるよう「危険を予測した運転」を実践しなければなりません。交差点内では前車の動静に注意を配り、余裕を持った車間距離を保持しましょう。
この事故では2台目の自転車が周囲の安全確認をせず、スピードを出して交差点を一気に横断しており、これが事故発生の要因の一つとなっています。ドライバーには、自転車の無謀運転や歩行者の身勝手な道路横断等、ルール無視による危険をも予測した運転が求められます。
運転は「認知・判断・操作」の繰り返しで行なわなければなりません。思い込みで運転することを避け、安全確認は必ず自分の目で行いましょう。