自賠責共済Q&A

A1

自動車損害賠償保障法に基づき、自動車による人身事故の被害者を救済するために、すべての自動車(自衛隊、アメリカ合衆国の軍隊、国連軍の自動車等は除かれます。)について加入することが義務づけられている強制の保険です。
その仕組みは被害者保護の観点から保障制度的な要素が強く、また、たくさんの請求を迅速かつ公平に処理する必要性から支払基準について、定型・定額化されています。

この共済(保険)の特色としては次のようなものが挙げられます。

  1. 共済金(保険金)が支払われるのは、他人を死傷させるなど人身事故による損害に限られます。
  2. 被害者1名についての支払共済金(保険金)に限度が設けられています。
  3. 被共済者(加害者)のほか、被害者が直接共済組合(保険会社)に請求できます。
  4. 当座の出費にあてるため、被害者に対する仮渡金の制度があります。

なお、私達トラック共済は、国土交通省の認可を受け、平成13年10月1日より、自賠責事業に新規参入いたしました。自賠責共済がラインアップに加わり、自動車の共済はますます充実した内容となりました。

A2

自賠責共済(保険)は、法律で定められた強制保険ですので、全ての自動車(原動機付自転車を含む)は、この共済(保険)に加入していなければ、運転してはいけないことになっています。

自賠責共済(保険)に加入せずに運転すると、法律により罰せられます。
具体的には次の通りです。

★自賠法関係
自賠法(自動車損害賠償保障法)第5条で、自賠責共済(保険)に加入していなければ運転してはならないと定められています。この法律に違反すると自賠法第86条の3により1年以下の懲役または50万円以下の罰金を課せられます。

★道路交通法関係
道路交通法第103条および第108条の33により、自賠責共済(保険)に加入せずに運転した場合には、違反点数6点になり、直ちに免許停止処分になります。

A3

自賠責共済(保険)では次のような場合に共済金(保険金)が支払われません。

  1. 加害者に責任が無い場合
  2. 電柱に自ら衝突したような、いわゆる自損事故で死傷した場合
  3. 自動車の運行によって死傷したものではない場合
  4. 被害者が自賠法上の他人ではない場合(運行供用者、運転者、運転補助者等)
  5. 共済(保険)契約者または被共済者(被保険者)の悪意による場合
  6. 重複契約の場合
自賠責共済(保険)は、何よりも被害者保護を重視していることから、上記の通り共済金(保険金)が支払われない場合を極めて数少ないケースに限定しています。

A4

事故の被害者は、通常は、事故を起こした自動車の自賠責共済(保険)によって損害の補償を受けられます。しかし、ひき逃げ等で加害者が不明の場合、あるいは自賠責共済(保険)に加入していない自動車による事故は、自賠責共済(保険)の共済金(保険金)の支払いを受けられません。こうした「ひき逃げ事故」や「無共済(保険)事故」にあわれた被害者に対し、法定限度額の範囲内で、健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付(他法令給付)や本来の損害賠償責任者の支払によっても、なお被害者に損害が残る場合に、最終的な救済措置として、政府(国土交通省)が、その損害をてん補する政府保障事業があります。政府保障事業への請求は、国(国土交通省)から法律に基づいて、業務の委託を受けた保険会社・共済組合等で受け付けておりますので、具体的な取り扱いについては、保険会社・共済組合等にお問い合わせください。

神交共の保障事業  お問い合わせ先

045-475-2227 補償部補償課・管理課

A5

自賠責共済(保険)では<傷害><後遺障害><死亡>の別にそれぞれ以下の通り支払われることになっています。

◆<傷害>による損害
傷害による損害には治療関係費、休業損害、慰謝料等があります。
  1. 支払内容
    • [治療関係費、文書料その他の費用]
      応急手当費、診察料、入院料、投薬料、手術料、処置料、通院費、転院費、入院費又は退院費、看護料、諸雑費、柔道整復等の費用、義肢等の費用、診断書等の費用、文書料、その他の費用
      入院中の看護料は、原則として12歳以下の子供に近親者が付き添った場合は、1日につき4,200円が支払われます。
      自宅看護料または通院看護料は、医師が看護の必要性を認めた場合または12歳以下の子供の通院等に近親者等が付き添った場合に、1日につき2,100円が支払われます。
      諸雑費については原則として入院1日につき1,100円が支払われます。
    • [休業損害]
      1日につき6,100円が支払われます。ただし、立証資料等によりこれを超えることが明らかな場合は、1日につき19,000円を限度としてその実額が支払われます。なお、休業損害の対象日数は実休業日数を基準とし、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間内で決められます。
      ※パートタイマー・アルバイト・日雇い労働者の方は、1日あたり平均収入額によっては6,100円を下回ることがあります。
    • [慰謝料]
      1日につき4,300円が支払われます。なお、慰謝料の対象となる日数は、被害者の傷害の態様、実治療日数その他を勘案して、治療期間の範囲内で決められます。

  2. 共済(保険)金額(=支払限度額)
    被害者1名について最高120万円

◆<後遺障害>による損害
後遺障害による損害には、逸失利益(障害が残らなければ得られたであろう収入)、慰謝料があります。なお、後遺障害とは事故によってからだやその働きに永久的な障害が残った場合をいいます。

  1. 支払内容
    障害の程度に応じた等級(第1級から第14級まであります)により定められています。
    • [逸失利益]
      被害者本人の収入額と障害の程度を勘案した額に、後遺障害確定時の年齢に対応する就労可能年数(あと何年働けたか)を乗じた額から中間利息(※)を差し引いて計算された額。
      (※) 将来得られたであろう収入を一時に支払うとして、その間に発生する利息のこと
    • [慰謝料]
      障害の程度によって定められた額。

  2. 共済(保険)金額(=支払限度額)
    被害者1名について第1級最高3,000万円~第14級最高75万円。
    ただし、平成14年4月1日以降に発生した事故で、神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合のお支払限度額は、被害者1名につき、常時介護のときは4,000万円、随時介護のときは3,000万円となります。
    (注) 共済(保険)金額は等級別に限度があります。

◆<死亡>による損害
死亡による損害には、葬儀費、逸失利益(本人が生きていたら得られたであろう収入)、慰謝料があります。

  1. 支払内容
    • [葬儀費]
      100万円
    • [逸失利益]
      死亡時における被害者本人の収入額から、本人の生活費を差し引いた額に、死亡時の年令に対応する就労可能年数を乗じた額から中間利息を差し引いて計算された額。なお、現実に収入のなかった子供、学生、家事従事者等の場合については、標準的な平均賃金に基づいて計算します。
    • [慰謝料]
      死亡本人に対する慰謝料(400万円)と遺族(被害者の父母、配偶者および子)に対する慰謝料(請求権者1名の場合550万円、2名の場合650万円、3名以上の場合750万円)との合算額。
      被害者に被扶養者がいるときは上記金額に200万円が加算されます。

  2. 共済(保険)金額(=支払限度額)
    被害者1名について最高3,000万円
    死亡に至るまでの傷害による損害の場合は、これとは別に「傷害による損害」の規定が適用されます。

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◆異議申立

自賠責共済金(保険金)の支払金額(後遺障害等級)など、共済組合や損害保険会社の決定に対して異議がある場合には、共済組合、損害保険会社等に対して「異議申立」を行うことができます。
異議申立事案については、自賠責の損害調査を行う損害保険料率算出機構が設置する日本弁護士連合会の推薦する弁護士、専門医、交通法学者等の外部の専門家が参加する自賠責保険(共済)審査会で審査を受けることとなります。
制度の詳しい内容および具体的な手続きについては、当組合またはそれぞれの機関にお問い合わせください。

◆第三者機関による紛争処理制度

[一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構]

自賠責共済金(保険金)のお支払について、万一にもご納得いただけなかったときのために、公正かつ中立な立場で被害者の保護を図るため、自動車事故に係る専門的な知識を有する弁護士、医師、学識経験者等で構成する裁判外紛争処理機関として設置されています。
この機関は、国土交通大臣および内閣総理大臣の監督のもと、自賠責共済金(保険金)のお支払について所用の調査を行い、紛争の当事者に対して調停を行います。
なお、同機構が取り扱うのは、自賠責共済金(保険金)の支払をめぐる紛争に限られておりますのでご注意ください。
詳細は、一般財団法人 自賠責保険・共済紛争処理機構ホームページをご覧ください。

[公益財団法人 日弁連交通事故相談センター]

日本弁護士連合会が設置した財団法人で、全国各地に開設されており、自動車共済(保険)、自賠責共済(保険)に関するご相談の他、和解の斡旋も行っております。
詳細は、公益財団法人 日弁連交通事故相談センターホームページをご覧ください。

[公益財団法人 交通事故紛争処理センター]

自動車共済(保険)、自賠責共済(保険)のお支払内容、損害賠償額等について万一にもご納得いただけなかったときのために、学識経験者および弁護士を委員とする中立かつ独立の機関で、和解の斡旋等を行っております。
詳細は、公益財団法人 交通事故紛争処理センターホームページをご覧ください。

A7
自賠責共済(保険)の被害者保護については、以下の制度があります。

◆支払の適正化

自賠責共済(保険)は、自動車事故の被害者に対する基本補償を確保するため、被害者の人身損害について、政令で定められた一定の共済金(保険金)を限度額の範囲内で支払うものです。この共済金(保険金)の支払に関して、迅速かつ公平な支払を確保するため、共済組合、損害保険会社は傷害、後遺障害、死亡のそれぞれ損害額の算出基準を定めた支払基準(H13.12.21金融庁・国土交通省告示第一号)に従って支払わなければならないとされています。

◆被害者や自賠責共済(保険)加入者への情報提供

共済組合、損害保険会社は、自賠責共済金(保険金)の支払について、書面により請求者に交付することを義務付けられています。これにより、自賠責共済金(保険金)および損害賠償額について、その金額が妥当なものであるかどうかを請求者自らチェックすることができます。請求者には以下の通り情報が提供されます。
・請求したとき・・・
支払基準の概要、支払手続きの概要、紛争処理制度の概要
・支払われるとき・・・
支払額、後遺障害等級とその判断理由、重大な過失があると判断され減額される場合における減額割合とその判断理由、異議申立の手続き
・支払われないとき・・・
支払いできない理由、異議申立の手続き
また、上記に加えて必要な追加情報を共済組合、損害保険会社に請求することができます。

◆異議申立制度

自賠責共済金(保険金)の支払金額(後遺障害等級)など、共済組合や損害保険会社の決定に対して異議がある場合には、共済組合、損害保険会社に対して「異議申立」を行うことができます。(上記Q6参照)

◆紛争処理制度

自賠責共済金(保険金)のお支払について、万一にもご納得いただけなかったときのために、第三者機関による紛争処理制度があります。(上記Q6参照)


◆国土交通大臣に対する申出制度

自賠責共済(保険)においては、傷害、後遺障害、死亡のそれぞれの損害額の算出基準を定めた支払基準に違反があった場合や書面による適正な説明対応が行われていない場合に、自賠法16条の7に基づく国土交通大臣に対する申出制度があります。詳細につきましては、国土交通省の自賠責保険(共済も同様)関連ホームページの支払の適正化の項目をご覧ください。


このページは、自賠責共済の概要についてご紹介したものです。
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