事故防止ケーススタディ

雨の日のカーブでスリップし、対向二輪車がガードレールに衝突 凍結路面でスリップして追突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
大型貨物車を運転するAは、雨の中、片側一車線道路を走行中、取引先へ荷物を搬送する時間が迫り焦っていたことから、十分に減速しないまま、やや急なカーブを曲がろうとしたところスリップし、道路中央からはみ出したため、対向車線を走行中の自動二輪車Bがこれを見て驚き、とっさに避けようと左にハンドルを切ったところ、バランスを崩しガードレールに衝突した。
大型貨物車を運転するAは、冬の早朝、鉄道線路を横断する跨線橋を通過しようとしていた。
跨線橋の先の信号は赤色で、1台の普通乗用車が停止していることを確認し、アクセルから足を外し減速体制に入った後、カーブの下り坂途中でブレーキを踏んだところ、後輪が右側に滑り始めたため、慌ててハンドルを右に切り、強くブレーキを踏み込んだ。すると、凍結路面によりタイヤがロックしてしまい、スリップをしながら坂を下り、普通乗用車に追突してしまった。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 急ごうとした気持ちの焦り
② 道路や路面の状況を考慮しない速度の判断ミス
① 凍結路面への危険意識の欠如
② 経験不足、教育不足
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 気持ちの焦りがスピードオーバーになったり、慌てたり、判断ミス等を招き事故の危険要因となる場合が多いので、時間に余裕を もって運転することが大切です。
  2. 道路の曲がり角付近は、まず、徐行しなければならない場所であることの認識が重要です。
  3. カーブで見通しも悪く、しかも、雨に濡れた路面であったことから、スリップ事故などの危険を防止するため、道路や路面の状況 を考慮し、カーブの手前でスピードを落とし、徐行しながら慎重に運転することが大切です。
  4. カーブを走行する際には、急なカーブであればあるほど、また、スピードが増せば増すほど、カーブの外にはみ出そうとする力「 遠心力」が働き、車の横転、道路外への飛び出し等の事故要因になりかねないので、スピードや積荷には十分な注意が必要です。
  1. 凍結路面の摩擦係数は乾燥舗装路面の4分の1以下というデータがあります。つまり、タイヤのグリップ力が夏場に比べ4分の1以下 に低下することを理解しましょう。また、制動距離についても8倍以上という結果になっており、路面状況の早期発見と早めの減速 が必要です。
  2. 「急発進」、「急加速」、「急ブレーキ」、「急ハンドル」等、やってはいけない「急のつく操作」を避け、危険を予測した運転 を心掛けましょう。
  3. 運行管理者等は、冬季特有の事故を防止し安全な運行を確保するために、「冬道に潜む危険を点呼や安全会議の機会を利用しドラ イバーにしっかり理解させ、特にスリップ事故に対する警戒心を高めさせること」が必要不可欠です。
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市街地の狭い道路で斜横断した子供に衝突 路上駐車中に自動二輪車が衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
保冷車を運転するAは、食品を納品するため荷主先構内において、プラットホームで荷降ろしを済ませ、次の配送先に行くため構内出入口に向かっていた時、別の貨物自動車が進入してきたので進路を譲ろうとバックした際、後方の駐車車両に逆突した。
普通貨物車を運転するAは、昼間、市街地の片側二車線道路の渋滞間を走行中、近くのコンビニに買い物に行くため路肩に車両を駐車した。その時、大型自動二輪車を運転するBは、後方から渋滞間を縫うように進路変更を繰り返しながら走行していたが、前方左側車線で停止しそうな大型バスを認め、その左側を通過しようと進路変更し、スピードを増して通過、幾分路面状況が悪かったため、視線を近くにおいて走行してことから、駐車中のAの発見が遅れ、慌てて急ブレーキを掛けたがスリップして転倒、そのまま滑走しAの左後輪に衝突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① ドライバーが「思い込み」によって子供の動静注視を怠った
① 交通頻繁な道路に駐車し、事故防止のための安全措置を講じなかった
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 先の駐車車両の陰から、横断歩道を歩行者が渡るのではないかと注意を傾けた事は、必要なことでありました。
  2. 子供は大人、特に両親に依存する気持ちが強く、一つのことに気が行くと他のこと(危険)に気が向かない行動特性がある事を理 解することが重要です。この事故のケースでは、Aは子供の行動特性を予知し、お互いに向き合っている状況から判断して、危険を 読み取り注意を集中すべきでした。
  3. 市街地の狭い道路では、特に歩道や路地等から、子供の急な飛び出しが十分予想されることから、走行中は注意を怠らないように することが肝要です。
  1. このケースでは、市街地の交通頻繁な道路に駐車しましたが、ほんの数分のコンビニでの買い物だとしても、緊急な要件でないだ けに、大型の駐車場を完備している店舗か、路外に駐車スペースのある場所等を選ぶべきでした。
  2. たとえ駐車可能な道路に駐車する場合であっても、カーブ地点や建物の影響など、昼間といえども危険性や見通し状況等を十分に 考慮し、後続車から明確に確認できるような安全措置を講ずる必要があります。特に夜間は、駐車車両への衝突の危険が増すこと からハザードランプの点灯、停止表示板の設置等、照明器具を有効に活用しましょう。
  3. 事故状況からBの過失も十分考えられますが、まず駐車車両に衝突する事故が多いことを認識し、事故を未然に防ぐためにも道路へ の駐車は避けましょう。とりわけ貨物車の場合は駐車スペースを広く取ることから、事故の危険性は増しますので、要注意です。
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信号機のない交差点で出会い頭の衝突 交差点左折の際、高齢者の自転車と接触
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、納品を終えた帰り道、いつもの運行コースを走行し、事故現場となった交差点手前に差し掛かった。
付近は緩やかな下り勾配で速度も50km/h位となり、雨により路面が濡れており多少滑り気味でもあった。
交差点手前50mに差し掛かった時、進路前方の左側交差道路からBの二輪車が右折のウインカーを出して交差点に進入しようとしているのを発見したが、Aは、自車が広い幹線道路でもありBは当然停止すると思い込み、そのまま進行したところBが停止せず右折してきたため、慌てて急ブレーキを踏んだがスリップしながら衝突した。
大型貨物車を運転するAは、前方の信号を左折するため、同じく左折する前車のトラックから7~8m離れて追従していた。交差点に進入し左にハンドルを切ろうとしたところ、対向右折車の普通貨物車が前車と自車との間に割り込んできたため、減速、徐行してやり過ごし、その対向右折車に続いて左折しようと加速した瞬間、ガシャンという音と共に、車体右横に衝撃を受けた。
慌てて急ブレーキを掛けて降車してみると、車体右横の運転席より少し後方に、Bが自転車とともに倒れていた。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 走り慣れた道路での気の緩み、漫然運転
② 思い込みからの動静不注視
① 注意力が割込車に集中した
② 対向右折トラックに続いて進行しようと、十分な車間距離をとらず、横断歩道の安全確認も怠った
☆防止策☆ ☆防止策☆
出会い頭事故の大半は、信号機がなく見通しの悪い交差点で発生しています。事故になる要因としては、
  1. 相手側に一時停止の標識があるから止まってくれるだろう。
  2. 相手側の道路は脇道だから自車が通過するまで待っているだろう。
  3. いつも車両等が出てくる道ではないので、今日も出てこないだろう。
といった慣れや油断から安全確認を省略した思い込みによる「だろう運転」により事故を招いているのが実態です。
信号機のない交差点に接近したら、周囲の交通状況を確認し、交差車両を認めたときは、まず減速し、必ず相手の動向をし っかり確認することが大切です。
  1. 交差点を左折する時は、信号機の有無にかかわらず、右方から進行する車両、左右から横断する歩行者や自転車に注意をする。
  2. 左折を終え、交差点から出ようとする時にも、横断歩道およびその付近を左右から横断する歩行者、自転車に「最も注意」して「徐 行」進行する。
  3. 日没時は、危険を感じて反応するまでの時間が昼間の2倍以上掛かるといわれているので、そのためにも早めの安全確認をする。
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