事故防止ケーススタディ

 
駐車車両の間から飛び出した子供に衝突 左折時、右方自転車に注意が偏り左方からきた歩行者に衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
中型トラックを運転するAは、配送終了後に車を営業所へ戻すために走行していたが、それまでの渋滞による遅れを取り戻すために若干速度を上げていた。
営業所近くの駅前商店街は、夕方になるといつも学習塾への子供の送迎車両の駐停車によって車の流れが悪く、その日もAの進行する車線には4台の車両が縦列駐車し、対向車線にも数台の車両が駐車していたが、対向車両は無かったので、早く通り過ぎようと加速して駐車車両の側方を通過しようとした。
その時、駐車車両の間から突然飛び出してくる子供に気づき、急ブレーキをかけたが間に合わず飛び出してきた子供を跳ね飛ばしてしまった。
大型トラックを運転するAは、積み込みの遅延からイライラした気持ちで、納品時間ギリギリでのルート配送をしており、次の納品先に向けて信号を左折しようとしていた。交差点に差し掛かった際、前方の信号は青で、横断歩道前方から渡ってくる自転車を確認していた。自転車の通過後、一気に左折したところ、左から横断してきた歩行者をはねてしまった。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 急ぎの心理による安全確認不十分
① 交差点通過時の左右の安全確認不足
② 急ぎの心理による無謀運転
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 駐車車両の近くを通過する際は、できるだけ車両との間隔をあけて進行し、その周囲に十分注意することが大切です。特に子供が いるような場所を通過する場合は、いつでも停止できるような状態で走行することを心掛けましょう。また、平常心を保ち、先を 急ぐことなく安全を最優先し、危険を予測した運転を行うことが重要です。
  2. 子供は興味のある対象を見つけると、たとえ車両が接近していても、それに向かって飛び出す傾向があります。ドライバーは子供 の行動特性をよく理解し、的確、安全に対処できるよう日頃から心構えを持って運転することが大切です。
  1. 焦りやイライラは正常な運転を阻害し、無謀運転になる危険性が高まります。この事故のケースは交差点左折の際、一方への注意 力の偏りと、他は大丈夫だろうという安易な判断から、歩行者の存在には全く気づかず、ただ納品時間に向けて自分勝手な判断で 無謀運転を行った悪質な行動といえるものです。横断歩道での左右確認や、死角への目配りはドライバーとして責任を持って実施 しなければならない当たり前の事項ですので、ハンドルを握ったら肝に銘じて徹底しましょう。
  2. 大型車の死角は左側面や後方など、その範囲も広く、ミラーで補っている箇所も多く存在します。交差点左折時は、左側面の確認 を疎かにせず、特に高速で走行してくる二輪車や自転車に注意しましょう。
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構内走行時、高さ制限を見落とし施設設備を破損 構内での駐車の際、後方の荷物を見落とし衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、配送先の店舗兼荷捌場に到着し搬入口を探していた。搬入時間が迫っており慌てていたため、誤って違う階に移動してしまい、場内入り口の高さ制限の看板は確認して進入していたものの、各階の看板を見落とし、上階に上がる際に、運転席上部で看板、消火設備配管、空調ダクト類に衝突、破損させてしまった。
大型トラックを運転するAは、配送先への納品のため構内に入ろうとすると、プラットホーム前の駐車スペースは荷降ろし作業中のトラックでいっぱいであった。Aは次の配送先への納品時間を気にしながら待っていると、作業を終えたBのトラックが出庫を始めた。Aは、そのあとに駐車をするため急いでバックした際、後方に置いてある荷物に衝突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 上方向の安全不確認
② 急ぎの心理による判断ミス
③ 高さに対する注意力の欠如
① 後方の安全確認不十分
② 先を急ぐ気持ちの焦り
☆防止策☆ ☆防止策☆

運転中の安全確認は、前後左右の他、自車両の高さ、幅、長さ等の車両形状をも意識して行うことが基本です。特に構内においては、慣れや油断を生じやすく、車両形状の認識が甘くなります。常に平常心を保ち、状況によっては降車して確認する慎重さが必要です。
構内では、下記の4点を注意ポイントとして、事故防止に努めましょう。
① 勘に頼らない運転 ・・・ 死角が多いことを意識し、目視確認の徹底
② 焦りは禁物 ・・・ 時間の余裕と気持ちにゆとりを持つこと
③ 気の緩みに注意 ・・・ 慣れた構内での油断
④ 構内の出入りに注意 ・・・ 公道や構内から出入りする際の歩行者等への注意

  1. 大型車は、後方の死角が大きく、危険を伴います。バックをする際の目視確認はもちろん、車を止めて下車し、直接自分の目で安全を確認しましょう。
  2. 気持ちの焦りは、慌てたり、判断ミス等を招き事故の要因となる場合が多いので、時間に余裕をもって運転しましょう。
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交差点を左折する際、横断中の歩行者に衝突 黄色信号で停止した先行車に衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、道路が比較的閑散とした早朝時、荷を積むために近くの食料品倉庫に向かい、通い慣れた道路を走行していた。
交差点を左折しようと左後方を確認すると、交差点からかなり手前の歩道上をジョギングする目立たない服装のBを認めた。
Aは早めにウインカーを出し左折をしようとすると、二輪車が高速度で左後方より接近してきたのを認め速度を落とすと、二輪車も速度を落としたため停止状態で二輪車を先行左折させた。
その後Aは左折を開始し、ジョギング中のBはまだ近づいていないと判断し、左右を一瞬見ただけで横断歩道を横切ろうとした。
その時、信号が青のうちに渡り終えようと足を速めたBが横断歩道に進入し、Aは慌ててブレーキを掛けたが間に合わず、Bを前部バンパー左側で跳ね飛ばした。
大型貨物車を運転するAは、片側2車線道路の第2車線を、Bが運転する乗用車に追随して走行していた。
前方交差点の信号が青から黄に変わったのを認めたが、「Bは交差点を通過するだろう。」と勝手に判断し、そのまま進行を続けた。
ところが、Bは停止すべく減速行動に移ったため、それに気付いたAは慌てて急ブレーキをかけた。しかし、このままでは追突は避けられないものと判断し、併せて左に急ハンドルをきったが、止まりきれず、第1車線に停止中のCのトラックに追突し、さらに停止中のBの乗用車にも接触した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 早朝時で閑散とした道路状況に気の緩みが生じた
② 接近中の自動二輪車のみに注意が集中し、周囲の安全確認を怠った
① 思い込みによる動性不注視
② 車間距離不保持
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. トラックは「死角」部分が多いため、交差点では自転車や二輪車等の「交通弱者」が犠牲になる重大事故が多発しています。交差 点通行時には交通弱者の通行を優先し、保護する防衛運転を心掛けましょう。
  2. 早朝は、比較的道路が閑散とし、スピードをだしている車が多く、運転が単調になり油断しがちです。また「暗」から「明」への 境となる早朝時間帯は、眼に映る映像が鮮明でなく、人間の運動・判断機能ともに減退している時間帯といわれています。その状 況がBを見落とす原因となったと推測されます。事故が発生すると重大事故となる可能性が高いので油断は禁物です。
  3. Aは会社出発後わずか10分で事故を起こしています。運転開始後間もない時間に事故が多発していることを十分認識し、出発直後か ら警戒心を怠らない運転を心掛けることが必要です。また、通い慣れた道路で、交通状況に熟知しているつもりでも”慣れ”から くる気の緩みが事故の要因となる場合が多いので、十分気を付けましょう。
  1. Aは、交差点の手前で黄信号を認識したので、まず停止することを考えて減速するべきでした。黄信号を認めたら停止することを考 えて減速しましょう。先行車がいる場合にはその動向にも十分に注意しましょう。
  2. Aは、取引先で荷を積み込み、ほぼ満載状態でした。荷物を積んだトラックの場合、普段より制動距離が伸びやすいことを考え、自 車の速度や重量、路面状態などを考慮し、安全に停止できるだけの車間距離を保つようにしましょう。
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