事故防止ケーススタディ

 
ガソリンスタンドに入ろうと停止した車両に追突 交差点を左折する際、停止した前走乗用車に追突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
大型貨物車を運転するAは、2車線道路の左側車線を走行中であったが、当日、出発が遅れ急いでいた事から、やや、スピードオーバーで、前方Bの普通貨物車にピッタリ接近した状態で進行していた。やがてBが、左前方にガソリンスタンドを認め、給油のため左のウインカーを出し、徐々にスピードダウンしているのを確認した。そこでAは、右側の車線に進路変更しようと考え、右後方の車両の状況に注意を傾けながら進行していた。Bは給油のため歩道を横切ろうとしたところ、歩道上を急ぎ接近中の自転車を認め、歩道に至る前の走行車線上で急停止した。その際、Aは進路変更のため後方に気を奪われていたことから、Bが停止するのに気付くのが遅れ、慌てて急ブレーキを掛けたが、間に合わずBの車両に追突した。
大型貨物車を運転するAは、搬送中に交通渋滞等に巻き込まれ、予想以上に時間が掛かっていたことから、気持ちに焦りを持ちつつスピードを上げて運転していた。
事故現場となった交差点付近に差し掛かったところ、交差点からの右折待ち車両で右折レーンの後方まで停止状態が続き進路を妨げられそうになり、左側車線に進路変更し、前方の交差点を直進しようとした。
左車線には前走車Bがいたが、Bは左折の合図を出しており、Aはこれを認めていたが、先の信号や交通状況が気になり、遠方を見ながら漫然と進行した。
左折のため減速中だったBは、暗がりから自転車が横断歩道に進入してきたのを見て、急停止したが、Aはこれに気付くのが遅れ、急ブレーキを掛けたが間に合わずBに追突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 出発が遅れ焦っていたこともあり、スピードを出し過ぎていた
② 車間距離を詰めて走行中であった。
③ 進路変更に気を奪われ、前方注視を欠いた
① 交差点付近の危険を予測して、慎重に運転すべきであったが、油断し、安全確認を怠った
② 不適切な車間距離と、気持ちの焦りからスピードオーバーになったこと
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 出発時間に遅れると、スピードオーバーになるケースが多く、焦りを誘い、また慌てて行動を起こす要因にもなります。たしかな運行計画を立て、出発時間や荷作業等に余裕を持ち、ゆとりのある運転に心掛けましょう。
  2. トラックによる追突事故が多発しています。追突事故原因の多くは、スピードを出し過ぎ、車間距離の詰め過ぎによるもので、重大事故もしばしば発生しています。
    プロドライバーに最も求められるマナーが、速度を遵守し車間距離を保持することです。プロドライバーとして模範となるよう速度や車間距離を適正に保つ運転を実践しましょう。
  3. ガソリンスタンドが前方に在り、Bの車両がウインカーを出し、徐々にスピードダウンしている状況を判断すれば、自らも十分にスピードを落とし、注意深く前方を注視し、その動向を警戒する必要がありました。減速することなく、前方注視を怠り安易に進路変更に移行しようとしたことは、無謀な運転と言わざるを得ません。
    トラックドライバーは、常に慎重な運転を心掛けましょう。
  1. ドライバーに焦りがあると、スピードオーバーや車間距離を詰めて走りがちになり、それが咄嗟の場合に慌てたり判断ミスや操作の遅れに繋がることになります。時速60kmなら60m、80kmなら80mといった車間距離を確保するか、または前車との間に常に3秒間の間隔を保つようにしましょう。
  2. 追突事故のほとんどは、脇見運転が原因で発生しています。ほんのちょっとの脇見でも、目を閉じているのと同じ状態です。トラックドライバーの場合、地図や行先確認等、脇見になる要素も多いので十分注意しましょう。
  3. ゆとりのある運転を心掛けることが大切です。 ○ 時間に余裕を持つ。 ○ スピードは控える。 ○ 車間距離を保つ。 ○ 気持ちにゆとりを持つ。 ことによって、危険をつくらない、危険からはなれる“防衛運転”に徹しましょう。
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ETCレーン通過時に、カード挿し忘れによるバー衝突 夜間、ノーブレーキで駐車車両に衝突し、多重事故
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
大型トラックを運転するAは、県外の配送先へ向かうため高速道路の料金所に向かっていた。ETCレーンに近づき、前を走る大型トラックに続いて通過しようとしたが、直前でバーが下がり衝突してしまった。
大型トラックを運転するAは、遠方での納品を終え、夜間帰社途中で、郊外の長い直線道路を走行していた。進路前方には一台の自家用車が路上駐車していたが、この車両に気付くことなく進行し、直前になって慌てて回避行動をとったが間に合わず衝突し、その反動で第2車線上の車両にも衝突、その車両は押し出され対向直進車に衝突する多重大事故となった。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① ETCカード挿入不良による通信エラー
② ETCレーン通過の際の速度超過
① 一瞬の居眠りや疲労の蓄積による集中力の低下
② 体調管理不足
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 高速道路に乗る際は、乗車前に必ずETCカードの有効期限、挿し忘れや挿し込み方向など、確認事項を怠らないようにしましょう。
  2. ETCはスピードの出しすぎにより無線信号が正常に機能しない場合があります。また、トラブル等により前車が急停止したり、バーが開かない場合等も考えられますので、十分な車間距離を確保し、ETCレーンに進入する際は安全に停止できる速度(20km/h以下)まで減速し、レーン内徐行運転を心掛けましょう。
  1. この事例は、事故の原因にもあるように、居眠りか疲労の蓄積による集中力の低下が推定される事故です。早朝より夜間までに及ぶ長時間の運転等の際には、事前に時間配分を組み立て、無理のない運行計画を立てましょう。また、休憩や仮眠を取るなど、体調管理が重要です。
  2. 健康管理を怠ると、運転三要素(認知、判断、操作)に影響が及び、過労運転や居眠り運転に繋がります。健康は適度な運動と十分な休養により保たれます。健康管理に努め、ベストコンディションで運転業務にあたりましょう。
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渋滞時における玉突き追突 低速で走行中、漫然運転により追突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、遠距離への搬送のためいつもより早めに会社を出発したが、片側2車線の県道は普段から交通頻繁で、道路工事の影響もありノロノロ運転の状況であった。
目的地への指定時間が迫りAはかなり焦りながら進路変更を繰り返し走行を続けていると、前方の第1車線で発進しようとするバスをよけるため乗用車とその直後を走行する二輪車が加速しながら急に第2車線へ進路変更してきた。
Aの前方を走る乗用車は二輪車との衝突を避けるため急ブレーキをかけると、追従していた貨物車も危険回避のため急ブレーキをかけた。
その時、Aは前車の急ブレーキに気付くのが遅れ追突し、更に前車を押し出し玉突き追突事故となった。
普通貨物車を運転するAは、早朝からの配送業務を終え、帰社するため交通頻繁な片側2車線道路の第1通行帯を走行していた。駅前商店街近くになると通行車両は増え、徐々に車間距離も詰まり低速で連続走行していると、前方の第2通行帯を走行していたタクシーが歩道上に客を見つけ、急に第1通行帯のAの前を走行していた軽四輪貨物車の前へ進路変更した。
Aはタクシーが進路変更する状況は認めたものの、歩道上の客には気づかず、進路変更後はそのまま直進すると思いこみ減速することなく漫然と走行していると、客を乗せようと停車したタクシーに続き軽四輪貨物車が停止したことに気づくのが遅れ追突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 焦りによる注意力の低下
② 前方不注視
① 思い込みによる動静不注視
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 急ぎ・焦り・過信等、心理的に動揺した状態で車を運転することは事故の危険要因として最も高い状態にあったといえます。運転する際は、心の乱れをしっかりコントロールして、「平常心」を保つことが重要です。
  2. 発進・停止を繰り返すようなノロノロ運転の状況では、次第に事故に対する危険意識が薄れ、注意力が減退し漫然運転に陥りがちです。漫然運転による事故を防止するには、プロの運転者としての自覚を持ち、安全運転の基本である「安全確認」を徹底しましょう。
  1. 交差点やその付近を通行する際は、交通事故に結びつく様々な危険要因が存在することから、運転者は最大限の注意を払い慎重な運転を心掛けることが大切です。漫然と運転していて危険を予測できなかった場合と、予め危険を予測し行動した場合とでは、反応時間に0.5秒の差が出るといわれています。運転する際は警戒心を旺盛にして、一歩先を読み次の手を打つ注意深さが肝要です。
  2. 事故は運転開始から30分、終了前の30分の間が最も発生する危険が高いといわれており、特に運転終了間際には安堵感から気が緩みがちになり、事故につながるケースが多く見られます。「スピードが緩めば気も緩む」と肝に銘じ気持ちを引き締めて運転しましょう。
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