事故防止ケーススタディ

 
左折時に横断歩行者と衝突 夜間、左折時に原付を巻き込み
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、信号機のある交差点を左折する際、一人の歩行者が横断歩道を渡り終えたのを確認した後、もう歩行者がいないものと思い込み左折を開始したところ、後から急いで渡ってきた歩行者Bに衝突した。
大型貨物自動車を運転するAは、夜間、信号機のある交差点において青信号で左折する際、対向車線から右折待ちのため交差点中央で停止していた二輪車に気を奪われ、左後方の安全確認が十分でないまま一気に左折をしたため、左側方を並進中の原付自転車Bを左後輪で巻き込んだ。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 横断歩道者に対する安全不確認
① 左側方の安全不確認
② 徐行義務違反
③ キープレフトの原則(道路の左側寄りに走る)
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 貨物車が交差点を左折する際、横断中の歩行者や自転車に衝突して重大事故になるケースが多いことを、まず理解しましょう。
  2. 横断歩道や自転車横断帯に近づいた時は、横断する人や自転車がいないことが明らかな場合のほか、その手前で停止できるように速度を落として進まなければなりません。また、歩行者や自転車に道を譲らなければなりません。
  3. 信号の変わり目には横断歩道を渡ろうと、歩行者が駆け込んできたり、自転車が無理に横断しようとすることがあるので、横断歩道には常に注意を払っておくことが大切です。
  4. 「他に横断者はもういないだろう。」と思い込んで安全確認を怠ることは、最も危険であり要注意です。
  1. 大型貨物車が、交差点を左折する際には内輪差が大きく、一度右に大きく膨らんで左折をしなければならないこともあり、左側方を通行中の原付や二輪車などを巻き込む危険性があることに、まず、注意が必要です。
  2. 交差点を左折する際には、左側方、後方の安全確認が必要であり、特に夜間の場合は視界が悪く、また、原付など走行中の小さなものは、見落としたり、距離感を見誤ったりすることがあるため最徐行し、状況により一旦停止して安全確認することが大切です。
  3. 道路を走行する時は、止むを得ない場合のほかは、「キープレフトの原則」を守り、道路の左側に寄って通行しなければなりません。交差点を左折する際には、巻き込み防止のため道路の左側に寄って走行し、原付などの並進を避けるようにし、もし、並進中の原付などがある時には先行させてから左折するようにしましょう。
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見通しの悪い交差点での衝突 交差点右折時に衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、配送業務のため比較的交通量の少ない商店街を走行していたが、信号機の無い見通しの悪い交差点を直進しようと、減速しながら進入したところ、右方向から走行してきた新聞配達員の原付自転車と出合頭に衝突した。
大型貨物車を運転するAは、交通量の多い交差点を右折するため、交差点内で対向車線の交通の流れが途切れるのを待っていた。そこへ対向車線を直進中の大型貨物車が停止し進路を譲ってくれたので右折を開始したところ、停止車両の陰から進行してきた大型二輪車Bと衝突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 「見通しの悪い交差点」の徐行義務違反および安全不確認
① 対向車線の「大型貨物自動車の死角」部分の安全不確認
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 交差点は、出会い頭の事故等、最も交通事故の多い場所であり、交通量の少ない時間帯と言えども、注意する必要があります。
  2. 優先道路を走行中ですが、「見通しの悪い交差点」であるため徐行する義務があり、相手方の原付自転車のように一時停止標識を無視して、交差点に進入してくるケースもあることから、徐行しながら十分安全を確かめ走行しましょう。
  1. 交差点では、右折の際、対向車線の直進車と衝突する、いわゆる「右直事故」が多発していることに注意しましょう。
  2. 「右直事故」の場合、対向車線・停止車両の陰(「死角」部分)から二輪車等が飛び出し事故になるケースが多いため、右折の際には十分に徐行し状況により一旦停止を繰り返すなど対向車線の「死角」部分の安全を確かめるようにしましょう。
  3. 二輪車は、乗用車などに比べ実際のスピードより遅く感じられるので要注意です。
  4. 対向車線の停止車両から、「右折するよう」合図され右折する、通称「サンキュー事故」の場合も、合図されたことに安心し、早く通過しようと事故になることが多いので、安全確認を怠らないようにしましょう。
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交差点を右折する際、横断中の自転車に衝突 右折中のトラックを避けようとして二輪車が信号柱に衝突
☆事故の発生状況☆ ☆事故の発生状況☆
普通貨物車を運転するAは、夜間片側1車線道路を走行中、信号機のある交差点を「青信号」に従い右折する際、対向車線が渋滞中であり、同車線の普通乗用車が交差点の直前で停止しているのを認めた。Aは、直ぐにその陰から二輪車等が進行中で無いことを確認し、また、視界内に横断歩行者も映らなかったことから、安心し何らスピードを緩めることなく右折を始めたところ、自転車横断帯の無い横断歩道を自転車に乗り、右から左の方向に渡っていたBに気付かず、Aは、車両前部バンパー右側でBの乗った自転車を跳ね転倒させた。
普通貨物車を運転するAは、薄暮時間帯で対向車線が渋滞している交差点を右折する所であった。
交差点の信号が「青」であったことから右折を始めたが、対向車線の交差点手前で乗合バスが停止中であり、しかもその前方も渋滞中であったことから、他に交差点進入の車両は無いものと安易に思い込み、さほど徐行や周囲を警戒することもなく、乗合バスの前方を横切ろうとした。
その時、バスの陰から交差点に進入してきたBの運転する二輪車に衝突しそうになり、咄嗟に衝突を回避したBの二輪車が転倒、滑走して信号柱に衝突した。
☆事故の原因☆ ☆事故の原因☆
① 交差点で右折をする際、徐行をしなかった
② 前方や側方を十分に注視・警戒すべきところそれを怠った
① 乗合バスの「死角」に対する警戒を怠った
② 最徐行し安全確認を徹底すべきであったのに、安易な思い込みにより右折時の徐行義務を怠った
☆防止策☆ ☆防止策☆
  1. 交差点の右左折に限らず、道路を横断中の歩行者・自転車を跳ねる事故が多発、特に、高齢者が犠牲になる事故が顕著でありますので、トラックドライバーは、十分に注意が必要です。
  2. 夜間、暗い交差点の走行は、歩行者・自転車等を見落とし見損じる危険性が高いので、右左折時には、徐行は勿論ですが状況に応じ一旦停止を行い、極めて慎重な運転が要求されます。
  3. 本件事故の場合、Bが自転車横断帯の無い横断歩道を渡ったことにも非が有りますが、Bは71歳の高齢であり高齢者は、運動能力・判断能力が低下することは勿論ですが、交通ルールに弱く相手(ドライバー)に頼り、注意力を依存し・保護を求める意識が強いので、高齢者の乗った自転車・歩行者には、横断等を優先させる配慮や注意・警戒が肝要です。
  1. 薄暮時間帯は、物の明暗がはっきり眼に映らないため、前消灯の早めの点灯と慎重な安全確認が必要です。
  2. トラックが右折の際、直進の二輪車が絡むいわゆる「右直事故」は、重大事故になるケースが多いので、他の車の死角部分に対する警戒を徹底する必要があります。
  3. 二輪車は、たとえ渋滞中であったとしても、交差点の信号が「青」であれば、減速することなく交差点に進入することが多いので、右折の際には特に二輪車の交差点進入に注意が必要です。二輪車は容易に転倒する特性を有し、人身傷害が大きくなるので特に注意が肝要です。
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